
「運転? 無理無理。もう二度としない」
そう口癖のように言い続けてきました。
10年前、小さな事故を起こしました。
駐車場でのほんの軽い接触でしたが、相手の方がとても怒っておられて、私はその場で完全に思考が止まりました。
手も震えて、何も言えなかった。
その日以来、車には一切乗らなくなりました。
免許はある。でも運転なんてとても無理。
助手席に座るだけで胸がザワザワするようになって、「私には向いてなかった」と諦めていました。
でも、子どもが小学校に上がり、習い事や送り迎えの必要が増えてきて、「そろそろ車を使えたら…」という気持ちが出てきました。
でも、いざ運転となるとどうしても不安が先に立ち、なかなか踏み出せずにいました。
そんなとき、偶然見かけたのがパンダドライビングレッスンのホームページでした。
女性専用で、軽自動車で、しかも「無理に頑張らなくていい」と書かれていて。
正直、それを読んだだけで涙が出そうになったんです。
「ああ、責められない場所があるんだ」と思えて。
そして申し込んだ、和泉中央プラン。
レッスン当日は手のひらに汗をかきながら向かいました。
「キャンセルしようかな…」と直前まで迷っていたのを覚えています。
でも駅で待っていてくださった先生のやさしい笑顔に、少しだけ心が緩みました。
教習車が軽だったのも安心できました。
「こんなに小さくて、かわいい車なら…少しは乗れるかも」って。
車に乗って、いざハンドルを握ると、過去の記憶がよみがえって胸がざわつきました。
でも、先生はそんな私を急かすことなく、
「今日はまず“座ってみる”ところからでいいですよ」
と、やさしく声をかけてくださいました。
アクセルを踏むのも怖くて、ブレーキを踏むタイミングもつかめなくて。
でも、ひとつひとつの動作を、ゆっくり丁寧に確認しながら進めてもらい、少しずつ不安がやわらいでいきました。
「事故のあと、乗れなくなったんです」と正直に話すと、
「それでも今日こうして来てくださったことがすごいことです」
と言ってくださって、言葉のやさしさに思わず涙が出てしまいました。
途中でカーブを曲がる場面があり、「うまく回れるかな…」とドキドキしていました。
でも先生が「カーブの出口を見て、そこに向かうつもりでハンドルを回しましょう」と教えてくださって。
言われたとおりに視線を遠くに置いてみたら、不思議とスムーズに曲がれたんです。
「怖いからこそ、目線が近くなる。だからこそ、あえて遠くを見る」
そのアドバイスが、運転だけでなく、私の気持ちにも重なっているような気がして。
今まで怖さにばかり目を向けていたけど、もっと先を見ていいんだ――
そんな気づきもありました。
レッスンの帰り道、久しぶりに気持ちがスッと軽くなっていることに気づきました。
「また、運転してもいいかもしれない」
そう思えたことが、私にとっては大きな一歩です。
まだまだ練習は必要ですが、もう「私は運転できない」とは思っていません。
また車に乗って、子どもと一緒にお出かけできる日を目指して、少しずつ前に進んでいきたいです。
背中を押してくださったパンダドライビングレッスンに、心から感謝しています。
(30代後半・会社員/和泉中央プラン)