
「ママ、車乗れないの?」
ある日、3歳の娘に言われました。
近くの公園へ向かう途中、雨が降ってきてタクシーを待っていたときのことです。
ちょっと拗ねたように、でも本気で不思議そうに、私を見上げるその顔が忘れられません。
運転免許は持っているんです。20歳のころに取って、当時は少し乗っていました。
でも、結婚して子育てが始まると、自然と運転しなくなって…。
気がつけば、7年以上ハンドルを握っていませんでした。
「運転、できないかも」
そう思うと、どんどん怖くなっていって、車を見かけるたびに不安になるようになりました。
でも、娘の言葉をきっかけに、もう一度チャレンジしようと思いました。
ただ、どこに相談すればいいのか分からなくて…。
教習所のペーパードライバー講習も考えましたが、なんとなく通うのが気が重くて、スマホで調べて見つけたのがパンダドライビングレッスンでした。
女性専用で、軽自動車で教えてくれて、そして何より「無理しなくて大丈夫です」と書かれていたことが、心に残りました。
「ここなら、行ってもいいかも」
そんな気持ちで申し込んだ、和泉中央プラン。
当日は駅前で待ち合わせ。
インストラクターの先生が乗っていた軽自動車は、見た目も可愛らしくて、圧迫感がなく、少し安心しました。
先生も明るくやさしい雰囲気で、「今日は、怖くならない範囲で進めましょうね」と言ってくださって、自然と深呼吸できました。
最初は、発進だけでいっぱいいっぱい。
アクセルを踏むのも怖くて、すぐにブレーキを踏んでしまいました。
でも、先生がそっと補助しながら「その感覚、ちゃんと反応できていて素晴らしいですよ」と言ってくれて、びっくりしました。
「失敗」と思っていたことが、「安全に止まれたね」という言葉に変わったとき、胸がじんと熱くなりました。
カーブを曲がるとき、どうしても体がこわばってハンドルが回せなかったのですが、
「怖さが強いと、視線が近くなっちゃうんですよ。もっと先を見てみましょうか」
というアドバイスを受けて、少しだけ遠くを意識してみたら…驚くほどハンドルが自然に回せたんです。
あの瞬間、「あ、車ってこうやって動かすんだ」と感覚がつかめたような気がしました。
ゆっくり走って、止まって、また進んで。
子どもができてから、自分のことはずっと後回しにしていたけれど、久しぶりに「私ができるようになった」と思えた日でした。
レッスンが終わったあと、先生が「次回はもう少し広い道を走ってみましょう」と言ってくれて、「やってみたいかも」と素直に思えた自分に驚きました。
家に帰って、娘に「ママ、車ちょっと運転したよ」と話すと、「ママすごーい!」って目を輝かせてくれました。
あの笑顔を見るためなら、もう少し頑張ってみようと思えます。
和泉中央での出会いが、私の毎日を少しずつ変えてくれています。
あの日、勇気を出して申し込んで本当によかったです。
(30代前半・主婦/和泉中央プラン)